定期観察 |連載第10回

C magazine for the PT OT ST

定期観察 |連載第10回

連載:麻痺と一緒に
Jul 30, 2025

先日、半年に一度の脳のMRI撮影に行ってきました。

 

毎回、MRIにて脳の画像を撮影してもらい、

異常がないか定期観察をしてもらっています。

今年で経過観察が始まって丸20年。

 

何もないけど、

節目の年と感じてしまいます。

 

下記、写真撮影した脳の画像です。

ご覧ください。

 

診断名ははっきりせず、画像に映る白い影は袋状のもので脳嚢胞と医師は呼んでいて、海綿状血管腫ではないかと言われています。

 

※この名称はあくまでも可能性であり、

現状だとはっきりしないため、経過観察が続いています。

 

2025年2月

緑で囲った画像が2015年2月

 

2025年7月

 

青で囲った画像が2025年7月

 

腫瘍サイズが

 

2015年のピーク時は約3cm(緑線の画像)あったのが、

現在は約1cmほど(青線の画像)になっています。

 

腫瘍は大きいよりも小さい方が良い。

 

日々回復

 

小さくなったことは喜ばしいこと。

 

ですが、腫瘍が小さくなっても

麻痺、痺れ、痙攣、痛み、ふさつき、

これらがキレイになくなったわけではありません。

症状が劇的になくなった!という感覚は今のところありません。

 

ただ、間違いなく、

 

あの頃(2015年)よりも

 

確実に身体の動きは良くなっています。

自分自身にしか感じられない細かい改善ですが、

 

左靴のつま先が剥がれなくなったし、

自転車の左のペダルを壊さなくなったし、

サンダルが履けるようになったし、

スリッパを履くことに躊躇がなくなったし、

左手でコンロの火を調整できるようになったし、

液体洗剤を左手で洗濯機に注げるようになったし、

数えたらきりがありません。

 

まだ、左手でビールのジョッキを持てないのが悔しい!

 

細かな「できない」が「できる」に変わることで、

生活がしやすくなります。

生活がしやすくなると、生きる自信が生まれます。

 

調子に乗って、若干の運動し過ぎになったりもしますが、

これを日々調整していきます。

 

腫瘍のサイズをコントロールできないのか

 

腫瘍のサイズが小さくなったことで身体の動きが良くなっているのか、

 

身体の動きが良くなったことで、腫瘍サイズが小さくなっているのか。

 

どちらかかは定かではないですが、

 

腫瘍のサイズをコントロールするすべがあるなら知りたい。

 

薬を飲んでいるわけでも

食事制限をしているわけでも

禁酒しているわけでも

ありません。

 

どうしたら、体が使いやすくなるか、

こればかり考えています。

 

たくさんの方に支えてもらっているから今があると思っています。

感謝してもしたりません。

 

感謝の気持ちを何か形にしたい。

だから、私は、運動障害で困っている方の力になりたいと思っています。

助けてもらった恩を返したい。

 

腫瘍を小さくする、コントロールする研究ができないものか。

 

10年前に腫瘍のサイズがコントロールできる方法があったら、

あんなにビビることもなかったし、

頭に管を入れることもしなかっただろうと思います。

(※2015年に頭に管を入れる術を行いました。今も入っています。)

 

20年の節目/前例を作りたい

 

脳幹部に腫瘍があるのは、

前例がないと言われ、約20年。

 

未だに脳幹部の腫瘍を取りに行くことは、

難しいようです。

 

次の20年で医療はどのように変化をしていくのでしょうか?

 

麻酔ができた時みたいに、

内視鏡ができた時みたいに、

MRIができた時みたいに、

何か新しい技術ができるかもしれません。

 

医療の進捗を期待しながら、

出来ることをやりながら、

生きたいです。

 

「誰か気づいてくれ!」

「誰か助けてくれ!」

この時期は終わりました。

 

今は、

今ある身体を使いやすくすること、

この身体を使って、

麻痺で困っている方の力になりたい。

 

《経験》と《観察》と《継続》

大きな目標も大切ですが、小さな達成感の連続で、行動が変化して行ったと、自身の経験を振り返ると感じます。どれだけ小さなことでもいい。自慢もしなくてよい。人と比べなくてよい。

 

《経験》と《観察》と《継続》 の中で私が日常生活に取り入れてきた運動が色々とあります。

 

一度の成果はとびきり少なくて良いと思っています。

むしろ成果あるのか?くらいが丁度良いかもしれません。

一人で行うのはとても根気がいります。

 

だから私が受け皿になります。

一緒に体を動かしましょう。

 

私の《経験》をお伝えしながら、ご自身ではわかりにくい部分の《観察》のお手伝いをします。そして一人では難しい《継続》をサポートしたいです。

 

今ある体を使いやすくすることを大切にしています。

継続した先にしか見えない景色がある。

 

私自身が暗中模索しているトレーニング方法がきっとみなさんの役に立つはずです。

 

スタジオ カワ坊 HP

https://sites.google.com/view/kawabou/

PROFILE
川畑亮輔

川畑亮輔

1988年生まれ。会社員。左半身麻痺者。
2005年、部活中の脳震盪から脳内に嚢胞が見つかる。2010年にスポーツトレーナーの専門学校卒業後、2014年あたりから麻痺症状を自覚。診断名がつかず、現在も経過観察中。より良い生活が送れるよう、日々模索している。
「歩くこと」が生涯テーマ。趣味は下駄散歩。
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