リハビリ専門職は知ってなきゃダメ!? 介助犬って何? 国際福祉機器展2024 取材レポートVol. 1

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リハビリ専門職は知ってなきゃダメ!? 介助犬って何? 国際福祉機器展2024 取材レポートVol. 1

連載:国際福祉機器展2024
Oct 4, 2024

 

2024年10月2日〜4日に東京ビッグサイトで開催されている第51回 国際福祉機器展&フォーラム。

わたくし、 C Magazine 編集長の重国が初日に取材に行きましたので、見聞きした事をお伝えします!

 

 

もっと知って!ほじょ犬

日本介助犬協会ホームページより

 

きらびやかな有名企業のブースを横目に、まず私が向かったのは「もっと知って!ほじょ犬」のブース。

こちらのブースでは日本盲導犬協会、日本聴導犬推進協会、日本介助犬協会の三団体が共同でほじょ犬を紹介していました。

 

ほじょ犬は、視覚、聴覚、手足の運動に障害ある方をサポートする「盲導犬」「聴導犬」「介助犬」の総称で、障害のある方が自立と社会参加おをするためのパートナーということでした。

 

 

リハビリ専門職にもっと知って欲しい!介助犬

ほじょ犬の中でも理学療法士である私が一番気になっていたのは介助犬。そこで、日本介助犬協会 広報チームの板谷さんにお話を伺いました。

 

 

重国)SNSなどで介助犬の存在は知っているのですが、実際に何を介助してくれるのか教えて下さい。

 

板谷さん)介助犬は、手や足に障がいがのある方の手助けをします。

主に、①落としたものを拾う ②指示した物を持ってくる ③緊急連絡手段の確保 ④ドアの開閉 ⑤衣服の脱衣補助 ⑥車いすの牽引 ⑦起立・歩行介助 ⑧スイッチ操作 などで他にも、その人に合わせてさまざまなサポートをすることができます。

 

実際の例では、ベッドから起き上がるのに、1時間近くかかってしまっていた方が、介助犬のサポートで15分程度で可能となり、外出の頻度が増えた方などがいます。

 

重国)起き上がりの介助もできるのですか!?

理学療法士でありながら、介助犬のことを全く知りませんでした。

 

実際に今まで担当したの患者さんや利用者さんにも介助犬を使用されている方がおらず、もちろん私が介助犬を紹介することもなかったのですが、現在、日本でどれくらい普及しているのですか?

 

板谷さん)今、日本で約15,000人の方が介助犬を必要とされていると言われているのですが、実際には現在、59頭しか実稼働していません。

ですので、このような展示会などで広報活動を積極的にしています。

 

重国)全国で59頭だけなんですね!? それはさすがに少なすぎる気がします。

障がいの程度を評価できる理学療法士や作業療法士がもっと知っていれば、さらに普及する可能性がありますね。

 

板谷さん)その通りで、皆様の学会などにも伺って広報活動を進めているところです!

 

 

介助犬は無償で貸与

重国)普及しない原因として、金銭的な問題とかはないのですか?

 

板谷さん)介助犬は協会からの貸与なので無償です。もちろん、介助犬の食事代など、生活に関わる部分は自己負担をして頂きます。

 

重国)そうすると、ますます認知度の問題なのでしょうか。

例えば、理学療法士や作業療法士などに説明するとして、「こういう方が介助犬の対象となります。」と言って頂けると分かりやすいかと思うのですが、介助犬の適応条件などはありますか?

過去に犬を飼ったことがある人が良いなど。

 

板谷さん)私たちは「オーダーメイド」という言葉を使うことが多いのですが、障がいやサポートが必要なところはさまざまですので、明確に適応基準やチェック項目などを定めることは難しいです。

犬を飼ったことがない、という方も介助犬を使用されています。

 

まずはお気軽にご相談を

 

重国)それでは、私たちが患者さんや利用者さんと関わっている中で介助犬の使用を検討したい場合、どのような手続きをすれば良いでしょうか?

 

板谷さん)まずは、お気軽にご相談頂ければと思います。日本介助犬協会ホームページにアクセスして頂ければ問い合わせ先などもわかります。

また、介助犬の育成などは寄付で支えられております。そちらについてもホームページから受け付けていますので、見て頂ければ嬉しいです!

 

重国)なるほど、まずは問い合わせですね。お時間をとって頂きてありがとうございました!

PROFILE
重國宏次

重國宏次

1980年生まれ。理学療法士。早稲田大学スポーツ科学研究科 スポーツ科学修士課程 修了。東京保健医療専門職大学 専任教員。十条かねたか整形外科で非常勤勤務。2021年外出や旅行を楽しむための身体づくりをサポートするトレーニング・コンディショニング事業「グッドレッグ」を起業。臨床・教育・研究・個人事業に携わりながらセラピストの新たな可能性を模索している。webマガジン「C」編集長。

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