自分の足の感覚|連載第5回

C magazine for the PT OT ST

自分の足の感覚|連載第5回

連載:麻痺と一緒に
Oct 31, 2023

私の左足は何かと過敏に反応してしまう。

 

左足の母指球のあたりが過敏に反応してしまい、歩きにくいことがよくある。

 

 

素足が苦手

 

 

靴を履いていれば比較的問題ないが、

素足で硬い床面を歩くと、

熱いものを触って、

あちっとなるような、

何かに刺されるような感じになる。

 

 

 

靴を脱いで、

となるところはプチ拷問である。

 

 

銭湯や室内。

 

 

リラックスするために行くのに、

その余裕がない。

 

 

痛い。

 

 

怖い。

 

 

母指球に体重をかけて痛みがでるのが怖いから、小指側に荷重するようになる。

 

 

すると、小指側にタコのようなものができてしまい、これも激痛。

 

 

親指側もだめ。

 

 

小指側もだめ。

 

 

どこに荷重したらよいかわからず、

動くことが恐怖だった時期もある。

 

 

痛みは行動力を奪い、

運動機能を減退させ、

心を奪う。

 

 

 

 

黄色いボコボコが苦手

 

 

私は黄色いデコボコが苦手である。

 

 

靴を履いていてもそれを踏むと左足親指が反応して激痛。

 

 

足の裏が反応しないように黄色の長い線の方に乗ると、クネっと左足が返って小指側に全荷重かかり激痛。

 

 

黄色ばかりに意識を向けていると、

前の人の踵を踏んで、

ごめんなさい。

 

 

痛いなら避けて歩けばよいじゃないか。

 

 

なんですが、

日本の普及率はとても高いらしく、

全国いたるところにある黄色いデコボコ。

 

 

信号待ちのところ。

 

 

階段の始まり、終わり。

 

 

傾斜のところ。

 

 

「黄色い線の内側へお並びください」

と、アナウンスにまで普及している。

 

 

最近はあまり聞かない〇〇〇フリー

 

 

私にとってはただの〇〇〇

 

 

だからって1枚ずつ剥がすわけにもいかないし。

 

 

 


 

 

生涯の夢

 

 

私には夢がある。

 

 

《黄色のデコボコをなくしたい》

 

 

歩行が不自由になってつくづく思いますが、踏むと痛いし、よく出くわす。

 

 

目につくたびに何だか心がすさむような。

 

 

もともと目の不自由な方のためにあるもので、きっとおおいに活躍しているはず。

 

 

黄色のデコボコがあるおかげで、外出できるようになった人もいるはず。

 

 

でも、

 

 

でも、

 

 

痛くて困っている。

 

 

そこで思ったのが、

 

 

《黄色のデコボコをなくしたい》

 

 

厳密にいうと「変えたい」

 

 

なくしたら、困る人がいっぱいでてくる。

 

 

だからそんなことはしたくないし、してはいけない。

 

 

足が不自由な人も困らない何かに変えられないかな。

 

 

変えたいと思うなら、

まずは、願うことから。

 

 

って誰かが言ってた。

 

 

誰かにとって難しいことは

 

 

きっと

 

 

誰かの得意なこと。

 

 

であってほしい。

 

 

思っていることは、

口に、

言葉にしないと。

 

 

もう1回言いますね。

 

 

私は、

《黄色のデコボコをなくしたい》

 

 

まずは出来ることから。

 

 

胸の内に秘めている想いを「C」の中に残しますね。

 

 

とは言っても、文句ばかりじゃ何も変わらないので、私は私で、歩くことを必死に継続しています。

 

 

黄色のデコボコがなくなったらいいのにと思うのは、私だけなのだろうか?

 

 

 


 

 

視覚障害者との交流

 

 

先日、お友だちの知人で、

目の見えない方に出会った。

 

 

突然。

 

 

ずっとお会いしたかった。

 

 

何もしなければ、

何もなくあいさつだけで、

終わるところだったが、

 

 

何もしなければ、

何もなく終わってしまうから、

 

 

お話したいんですげど、

ちょっといいですか?

 

 

って突っ込んで話しかけてみた。

 

 

いいですよって、

言ってくれたから、

 

 

私には半身麻痺があって、

点字ブロックを踏むことが苦手なことを伝えた。

 

 

「点字ブロックは目の不自由な方のために作られたものだと思うのですが、実際に使い勝手はどうですか?」

 

 

って。

 

 

「点字ブロックは目の見えない人のためのものですって、ステッカーが貼ってあって悲しいんです」

 

 

って。

 

 

興味深いことをおっしゃっていて、

 

 

Bさん「もう慣れましたけど、信号など止まるべきところでは私たちは必ず人とぶつかるんです。

 

ほぼ100%。

 

点字ブロックを気にしない人たちが点字ブロックを何なしに踏んで、信号待ちしてるんです。

 

そこに私たちは毎回突っ込んでしまうんです。

 

だから、これは目の見えない人のためのものです、って貼られているのかもしれない。」

 

 

って。

 

 

やっと聞けた。

 

 

聞いてみたかった。

 

 

 

Bさん「こういうこと聞くのも勇気がいりますよね。」

 

 

 

と、言ってくださり、

とても救われた気持ちになった。

 

 

 

やっと聞けた。

 

 

0が1になった。

 

 

動いた。

 

 

ようやく点字ブロックのことを、

目の不自由な方に聞けた。

 

 

生の声を聞けた。

 

 

Bさんから聞かせてもらったことが、

全てではないが、実際の声。

 

 

もっと聞いてみたい。

 

 

話しかけてみたい。

 

 

生の声を聞いてみたい。

 

 

生の声を聞いてほしい。

 

 

わかったことがあって、

 

 

・私みたいに点字ブロックを踏んで、痛くて困っている人はいないかもしれないけど、点字ブロックで困っている人はいるかもしれないということ。

 

 

・点字ブロックが必要ないひとは、点字ブロックを踏むな

 

 

 

ということ。

 

 

今後、点字ブロックのことをもっと聞いてみたい。

 

 

点字ブロックを作っている人に出会ってみたい。

 

 

PROFILE
川畑亮輔

川畑亮輔

1988年生まれ。会社員。左半身麻痺者。
2005年、部活中の脳震盪から脳内に嚢胞が見つかる。2010年にスポーツトレーナーの専門学校卒業後、2014年あたりから麻痺症状を自覚。診断名がつかず、現在も経過観察中。より良い生活が送れるよう、日々模索している。
「歩くこと」が生涯テーマ。趣味は下駄散歩。
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