価値観やものごとの思考には人それぞれ特色があります。
・どうにかなるさの楽観的な思考
・心配性のリスク回避的な思考
・わずかなミスも許さない完璧主義的思考
どれが良いとか悪いとか、そういうお話しではありません。価値観は人それぞれであり、他者の価値観を否定してはならないと私は教わりました。
人それぞれで全く問題ないのですが、各人が自分自身の思考の癖や価値観の偏りを知り、その思考によって起こり得る問題を回避していくことはとても大切なことです。
以前のコラムでお伝えした過去の私の基本的な思考の内容を含め、以下にまとめます。
・最低限やらねばならないことはちゃんとやるべきである
・遠回りをして専門学校に入学したのだからしっかりやらねばならない
・PTは常に勉強会に参加しながら自己研鑽を続けるべきである
・管理者である自分は常に他スタッフの力になってあげなければならない
私の思考は常に
★Must(〜しなければならない/〜でなければならない)
★Should(〜すべき/〜であるべき/〜したほうがいい)
この2つであり、この思考のもとに私の全ての行動や決断は成り立っていました。
この思考自体を否定するつもりはありませんし、場面によっては絶対必要な思考である
とも思っています。
やりたくなくても“やらねばならない”場面なんていくらでもありますし、その思考が
なくなってしまったら社会生活を送ることはできませんよね。
ただし・・
“常にmustとshouldの2つだけ”の思考になってしまうのは避けなければなりません。
それこそmustです。
この思考に支配されるのはさすがにちょっと危険そう…
ってことくらい、私だって冷静になりさえすれば感覚的にわかります。皆さんだってそうお考えになると思いますが、この思考に基づいて行動することで得られる“ある事実”が、その感覚を鈍らせることになります。
良い結果が出る、という事実です。
must&should思考は多くの場合、“世間一般で正解とされがちなもの”が基準となるため、
・学生であれば勉強をしっかりやって常に高成績を残す
・社会人であれば真面目に業務に取り組み、自己研鑽に努め常識的な行動や振る舞いをする
ことになり、周囲からも高い評価を得ます。
実際私も中学高校と高い内申を保ち続け、指定校推薦で悠々と大学に入学しそつなく単位を取得して卒業、専門学校でも成績に関する心配もなく予定通り国家資格取得、まさに良い結果が出続けていました。
良い結果が出続けてしまうから、その結果が得られるまでのプロセスや思考自体に潜む問題点には気づきにくくなってしまうのです。
問題点とは具体的にどのようなものでしょうか?
簡単に言ってしまえば、そのうち気力と体力に限界がやってくるということです。
この思考で行動し続けるということは、その時の気持ちや身体の状態がどうであっても、世間一般で正しいとされる行動を自分自身に強制し、忠実にそれに従い続けるということです。
どれだけ疲弊していても、どれだけ傷ついていても、やるべきことが目の前にあるのであればそれを強制的にやり続けるということです。
一度や二度、5〜10年程度であれば耐えられます。
それでも本来苦しいはずなのですが・・
ただ、恐らく本人は苦しさなんて自覚しておらず、耐えている感覚すらないと思います。なんせ良い結果が出ちゃってるので・・
確実に存在しているはずの苦しさに気づきもせず、10〜20年とそれを続けて、心身ともに耐えられない程の本当の限界がやってきた時に初めて苦しさを自覚するわけですが、“時すでに遅し”です。
すでにどうにもならない程ボロボロの状態に陥っています。
ですから、そうなってしまう前に自身の思考の癖に気づき、目先の良い結果に騙されることなく適切なセルフケアをしてあげることがとても大切です。
今回は、1つの側面から見た時のmust&should思考の問題点についてお話しました。
次回は、別の側面から見た時のもう1つの大きな問題点について詳しくお伝えします。
自分自身の心の悲鳴を聞き逃さず、自分に優しく接し、自分を守ってあげてくださいね。
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