日本では管理職は「無理ゲー」「罰ゲーム」と言われ、管理職になりたい人の割合はパーソル総合研究所の国際比較調査では19.8%しかいませんでした。対して、インドでは90.5%とほとんどの人が管理職になりたいと答えました。インド社会での管理職についての受け止めや、働く人びとの意識について聞きました。
仕事に関する調査で、管理職への昇進を希望する人の割合が約9割に上ったインド。なぜそんなに偉くなりたいのだろうか。「マネジャーになれば、事業や製品開発の成功に向けた重要な決定ができるようになり、挑戦的な状況に対応する力も身につけられる。周囲から尊敬もされる」 インドの首都ニューデリー近郊にあるノイダのビジネス街。IT企業に勤めるアルシ・グプタさん(30)は、管理職への昇進を希望する。 両親や学校の教員から、「指示待ちではなく、人々を引っ張っていく役割を」と言われて育ってきた。学校でクラス委員などに選ばれた時は、周りから一目置かれ、親も喜んでくれた。 就職後も責任が増す役職に就くことを目標に掲げるようになり、今は職場のグループのまとめ役を担う。「私たちには、挑戦することが重要だという文化がある」 管理職になれば、給料は上がる。「もちろん、給料が多ければ仕事のやる気につながる。ただ、仕事の貢献度や自分自身の成長、違ったスキルを学べることの方がより大事だと思う」
インド人の多くが昇進を目指す背景に、伝統的な身分制度であるカーストなどの影響が残っているとの声も、複数人から聞いた。「高いカーストの地位にあった人々は、昔から手作業をせず、聖典を学んでその内容を他の人に教える役割を担っていた。その名残から、現在の社会でも、製品の単純な組み立てや清掃といった作業は低カーストの人と関連づけられることがある」と言うのだ。 パーソル総合研究所の調査では、管理職を希望する人の割合は、インドが90.5%で、18カ国・地域中で最高だった。日系企業を含む外資系やインド財閥企業への人材紹介などを担うパーソルケリーインディアの荒井雅人さん(39)は「インド人の求職者がまず大事にするのは、給料と役職」と語る。
この国の大卒のホワイトカラー(事務系の職業など)層は、20代で2、3回の転職を繰り返し、給料や役職を上げようとしていく。転職のたびに2、3割ほど給料が上がるという。 大手企業のアシスタント・マネジャー職よりも、会社の規模が小さくなってでもマネジャー職を希望する人も少なくないといい、「タイトル(肩書)に対する誇りが強い人が多い」。 人口が14億人を超え、世界最多となったこの国は、今も年間2000万人もの子どもが生まれる一方、若者の雇用確保が大きな課題になっている。国際労働機関(ILO)が2024年3月に発表したインドの労働市場に関する調査では、大学を卒業した人の失業率は29.1%で、読み書きができない人(3.4%)の約9倍に達した。 2022年には、中部チャッティスガル州が役所で簡易な仕事を担う職種で求人を出したところ、定員91人に対して、22万人以上が応募したと報じられた。荒井さんは「インドでは一部のトップ大学の学生らをのぞいて企業側による買い手市場になっている。どこの会社でも良いから、まずは仕事に就きたいという若者は多い」と語る。 若者の就職難が増す中で経済的な格差も広がり、管理職への「出世コース」を歩む人たちには、せんぼうのまなざしが注がれていく。
一方、コロナ禍以降は、リモートワークができるかといった働きやすさを大事にする人も増えている。元々は週6日勤務を求める企業が多かったが、週5日のみという会社も多くなり、中には管理職を希望しない若者も出てきている。 2年前に大学を卒業し、旅行サービス企業に就職したというシバンク・グプタさん(24)もその一人だ。 彼は「管理職になれば、社会的に尊敬され、結婚できる可能性も上がる」と話したうえで、こうこぼした。「管理職の上司を見ていると、専門分野のスキルを高めることよりも、チーム内の調整や顧客を増やすことに時間やエネルギーを費やしていると感じる」
引用:朝日新聞社
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