東京都社会福祉協議会高齢者福祉施設協議会は3月25日、特別養護老人ホームの「介護ロボット・ICT(情報通信技術)機器実態調査」の結果を公表した。見守り支援機器、コミュニケーションロボット、ICTツールなど8機器ごとに「活用」「導入」「検討」「関心」の度合いを把握して比べたところ、関心が高くて、よく検討した機器が現場で使いやすいとは限らないことが分かった。
顕著なのが介護リフト。「床走行式」は検討率、関心率が高いが、導入施設における活用率(使いやすさ)は「ベッド固定式」「据え置き式」の方が高かった。調査を担当した鈴木健太・デジタル推進委員長(社会福祉法人友愛十字会)は「経営者は床走行式なら部屋を移動して必要な利用者に効率よく活用できると考えるが、現場では探して部屋に持ってくるのに手間がかかるので使わない」と経営層と現場の乖離を指摘する。
前回調査と比較すると、移乗支援機器の「装着型」は導入施設における活用率が下がった。ただ、関心率は上がっていることから、成功例の周知などが必要とされる。
コミュニケーションロボットの「介護者代替プログラム実施型」も、導入施設における活用率が大幅に低下。プログラムを設定する手間がかかるためとみられる。一方、接触や話し掛けに反応する「環境・操作反応型」は大幅に増加した。
インカムや音声入力システムは導入施設における活用率が下がった。 鈴木委員長は「一部の機器は介護報酬加算の要件とされているが、重要なのは現場が使いやすいこと」と指摘する。
調査は今回で3回目。会員328施設の回答を集計した(回収率63%)。
引用:福祉新聞
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