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性別変更の手術要件は違憲 日本の最高裁が決定

Nov 7, 2023

シャイマ・ハリル東京特派員、イヴェット・タン(シンガポール)

日本でも性的少数者などの多用な生き方を認め合おうと呼びかける活動が広がっている(2023年4月、東京)

日本の最高裁判所は25日、戸籍上の性別を正式に変更する国民に、生殖能力を失わせる手術を受けることを義務づけるのは違憲だとする決定を出した。

2004年に施行された「性同一性障害特例法」は、生殖能力がないか、その機能を永続的に欠く場合のみ、性別を変更できるとしている。

トランスジェンダーの女性が、この法律の要件は憲法違反だとして、手術なしでの性別変更を認めるよう裁判所に申し立てていた。

性別変更にあたって手術を実質的に義務づけている国は世界に18あり、日本はそのひとつ。こうした要件については、世界保健機関(WHO)も反対している。

日本はまた、先進7カ国(G7)の中で唯一、同性婚を法的に認めていない

人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、日本の法律の要件を「有害で時代に逆行する」としていた。

この日の決定についてHRWは、「日本のトランスジェンダーの権利にとって重要な勝利」だとして歓迎した。

HRWの土井香苗・日本代表は、「この決定は、日本におけるトランスジェンダーの健康、プライバシー、身体的自律の権利を支持するものだ」、「有害な(中略)要件の撤廃を目指した長年にわたる社会運動と訴訟が、この決定につながった」とBBCに語った。

同じ法律をめぐっては、2019年に最高裁が合憲と判断していた。今回の決定は、それを覆すことになる。

静岡家裁支部でも違憲判断

申し立てをした女性の弁護士は、女性の生殖能力は長年のホルモン療法ですでに低下していると主張。手術には肉体的苦痛と後遺症のリスクが伴うとしていた。

申し立ては家庭裁判所と高等裁判所の両方で認められず、女性側は最高裁に判断を求めていた。

法改正に反対する一部の団体は、手術なしで戸籍上の性別を変更できるようになれば、女性が危険を感じる状況が生じかねないと主張していた。法的な混乱も起こりうるとしていた。

最近の国内の世論調査では、LGBTQ(性的少数者)への理解を増す法律への支持が高まっている。ただ、保守的な社会層や政治家らは反対している。

静岡家裁浜松支部は今月11日、性別適合手術を受けずに戸籍上の性別の変更を求めたトランスジェンダー男性の鈴木げんさんに対し、変更を認める決定を出した。

関口剛弘裁判長は現行法について、すべての人は個人として尊重されると定めた憲法13条に違反するとの判断を示した。

引用:BBC

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