【ラグビー】メディカルチームも「Our Team」日本代表支える4人、専門異なる知見が強み

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【ラグビー】メディカルチームも「Our Team」日本代表支える4人、専門異なる知見が強み

Oct 11, 2023

ラグビーW杯(ワールドカップ)フランス大会を戦う日本代表に、欠かせない男たちがいる。常に衝突を伴いながら走り、故障と隣り合わせの激しい競技。「メディカルチーム」は瞬時に的確な判断を下し、故障者を復帰へと導く。メンバーは4人。2大会連続のW杯に臨んでいるドクター高森草平氏(45)にメディカルチームの強み、W杯への思いを聞いた。【取材・構成=松本航

主審の笛を聞き、緊迫感漂うピッチを「MEDIC」と記された服を着た2人が駆けた。17日イングランド戦の後半41分。左脇腹を押さえて倒れるプロップ具智元(神戸)の横に膝をつき、高森氏が声をかけた。確認し、首脳陣へと状態を伝える。普段はタッチライン際に陣取るが「選手のサインも理解する必要がある。テレビ画面は戻せるけれど、グラウンドでは止められない。どこでコンタクトが起きるのかを、まずは見るのが大事」と集中する。  日本のメディカルチームには、4人が名を連ねる。  ◆ドクター 高森草平氏※診断を出す。過去にニュージーランドで活動。国内ではプロ野球選手と接点も  ◆パフォーマンスコーディネーター カール・マクドナルド氏※ニュージーランドから来日。同国の理学療法士。はりも打てる  ◆アスレチックトレーナー(AT) 浜野武彦氏※かつてトヨタ自動車で活動。ATで鍼灸(しんきゅう)やマッサージもできる。多くの競技に精通する  国次聡史氏※日本の理学療法士、AT。神戸製鋼に在籍した経験あり  強みは専門が異なる4人の知識の結集だ。珍しい負傷があった際には「こういう経験ってある?」と同じ目線で話し合う。マクドナルド氏はラグビー王国目線の知見があり、外国出身選手とも英語でやりとりできる。一方、高森氏は「例えば肩は野球が盛んな日本の方が例がある。目線が違うのがいい」とうなずいた。  選手の状態把握は、トヨタ時代から続く浜野氏の人脈が生きた。各所属のドクター、トレーナーと連携を図り、代表活動前には実際に足を運んだ。22年6月には首の術後の具が宮崎合宿に参加。全体練習には参加できないが、経過を見られた。「代表でやったことを、今度はチームに還元する。まだ十分ではないけれど、この4年で変わってきた」。横浜市内の整形外科で勤務する高森氏もリーグワンの試合を2倍速で確認し、他のスタッフから代表入りが期待される選手を聞くと事前に特徴を把握する。  ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC)もメディカルチームを信頼する。復帰の見込みを伝えると「時間がかかるんだな。分かった。では(その間に)何ができる?」と返される。理論的で、できることに全力で取り組むことを求める人だ。高森氏も首脳陣ミーティングに参加し「再発の可能性が半分ある時は本当に50%と伝える。復帰想定の1日前に試合があったとしても『今よりも来週がいい』と意見することはある」と信念を持っている。  代表ドクターへの就任は、W杯日本大会が行われた19年だった。今大会限りで退任するジョセフHCとは、5年をともに過ごした。気が休まる時間はなく「すごいプレッシャーです」と正直に明かす。それでも胸に抱いている思いがある。  「ピッチサイドにいると『(相手に)タックルしたろうかな』となるんです。僕たちも戦っている。最後にジェイミーが笑う大会になってほしいと思います」  合言葉は「Our Team(アワチーム=私たちのチーム)」。支える男たちもチームを愛している。

引用:日刊スポーツ

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