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子どもの体力向上を目指し、理学療法士（PT）を学校に派遣して適切な運動方法を指導する「認定スクールトレーナー制度」の創設を目指す動きが始まっている。専門家団体が旗振り役となって出前授業などのモデル事業を展開しており、「スクールカウンセラーのように子どもや学校を支える全国的な制度にしたい」と意気込む。

団体はPTや整形外科医らでつくる公益財団法人「運動器の健康・日本協会」（東京）。協会の研修を受けたPTをスクールトレーナーに認定し、市区町村教育委員会などを通じて各学校に派遣する仕組みを構想している。認定は2024年度から始める予定だ。

23年度は8都府県でモデル事業を実施。島根県では隠岐の島町などの中学校で月1回「スポーツでけがをしないための方法」といったテーマで講演している。健康診断の際には、体の動かし方も指導するという。

京都市の中学校では9月からPTが体育の授業に参加し、準備運動を担当する。他の自治体では小中学校で講演などを実施し、学校との関係強化を図る。

小学5年と中学2年が対象の22年度全国体カテストは、小中で男女とも過去最低を記録した。子どもの体力低下が続く中、協会は認定スクールトレーナー制度の普及を後押しするよう文部科学省に働きかけている。

業務執行理事の武藤芳照・東大名誉教授（スポーツ医学）は「PTはリハビリの知識が豊富で、無理なく体力向上のこつを教えられる。教員の負担軽減にもつながるはずだ」と話している。

転載元：共同通信　2023年8月9日配信

引用：PT-OT-ST.NET