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買い物通じて介護予防 筋力も食生活も向上 岐阜・大垣

May 23, 2023

健康と、介護が必要な状態の中間で、筋力や心身の活力が低下した状態をさす「フレイル」(虚弱)。岐阜県大垣市は、買い物を楽しみながら、筋力の向上や食生活の改善などをめざす介護予防教室を始めた。1日でも長く自立した生活ができるように後押しするのが狙いだ。 【写真】買い物リハビリでは、あえて遠い場所の野菜に手を伸ばして取る=2023年4月25日、岐阜県大垣市三塚町、松永佳伸撮影  「なるべく遠くに置いてあるものを手を伸ばして取ったほうがいいですよ」「軟らかいものばかり食べていると、かむ力が弱くなるので気をつけて」  4月25日から大垣市内のイオンタウン大垣(同市三塚町)で始まった介護予防教室「買い物deリハビリフレイル予防」。買い物カートを押しながら野菜売り場を訪れた女性(89)に、付き添った看護師が声をかける。  「買い物に来ると、いろいろと見て歩くのでいい運動になりますね」と、教室に参加した女性。「何とか自分でできることは続けていきたい」と話した。  教室は、同市内で保育事業などに取り組む「リリフル」が、市から委託を受けて毎月最終火曜に開く。  対象は、市内在住の65歳以上で、自家用車を所有していない人(運転免許証を返納した人も可)や足腰が弱くなり1人での買い物が困難な人など。定員は10人。最大6人までは自宅から会場の送り迎えもする。  初回となった4月は70、80代の9人が参加。まず、ショッピングセンターのイベント会場に集まって身体測定など簡単な健康チェックを受けた後、リハビリ専門の理学療法士による体操で体を動かした。  買い物リハビリは、いつも家族に頼んでしまう人に、自分の目で商品を選んでもらうという「買い物支援」と、外出を促して運動する機会をつくってもらう「健康教室」を合わせた事業だ。  食品売り場を歩き回って商品を持つことで筋力の向上につながる。商品を選んだり、代金を計算して払ったりすることも、認知症予防の効果が見込めると、市は説明する。  教室では、咀嚼(そしゃく)や口腔(こうくう)内のチェックもするほか、購入した食材を見れば栄養バランスも分かる。味付けや調理方法などを助言し、高血圧や糖尿病など病気のリスクを下げることも期待できるという。  看護師でもある、リリフルの金森律子社長は「介護保険を使わずに健康寿命を延ばすことが大切。教室の回数や場所を増やし、予防効果を検証していきたい」と話す。事前予約が必要。参加費は無料。申し込みは平日午前9時~午後5時にリリフル(0584・84・2325)。(松永佳伸)

引用:朝日新聞

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