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医師警告!「毎日お酒を飲む人」健康を守る3秘訣 食事も大事!「心臓を傷つけない」簡単なコツ

May 17, 2023
生活習慣病、血管、心臓など内科・循環器系のエキスパート「血管の名医」として、日々多くの患者と接する医学博士の池谷敏郎氏。
テレビ番組『あさイチ』(NHK)『世界一受けたい授業』(日本テレビ)やラジオ番組などに多数出演し、楽しくわかりやすい解説が好評を博している。
過去15キロ以上の減量に成功し、その減量メソッドを全公開した15万部のベストセラー『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える 内臓脂肪を落とす最強メソッド』に続き、60歳を過ぎても血管年齢30歳の名医が教える「100年心臓」のつくり方を上梓した。
「人生100年時代」を最期まで満喫できるかどうか健康長寿のカギを握る「『心臓の健康』にいい生活」を、運動、食事、メンタルなど、あらゆる観点からアドバイスする1冊で、発売後わずか6日で3刷2万部を突破するなど、大きな話題を呼んでいる。
その池谷氏が、「心臓の健康にやさしい『お酒』の飲み方」について解説する。

大量に飲んで「寝落ち」はNG!

「毎日の晩酌が楽しみ」「寝る前のお酒は欠かせない」という人も多いと思います。

私もお酒は嫌いではなく、夕食のときは必ず飲みます。以前はウイスキーをよく飲んでいましたが、最近はレモンサワーやビールがお気に入りです。ビールは、旨味があっておいしい「国産の白ビール」が好みです。

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お酒は適量であれば、血流をよくして血圧を下げ、動脈硬化を予防する作用があるとされます。

近年、お酒の健康へのメリットに否定的な研究もありますが、適量であれば血流をよくして血圧を下げ、動脈硬化の予防効果を発揮する可能性もあります。

いずれにせよ、問題は「飲みすぎ」です。

飲酒後は心拍数が増えますが、アルコールの血管拡張作用により血圧が下がります

しかし、飲みすぎると、お酒を肝臓で代謝するときに発生する「アセトアルデヒド」が「交感神経」を緊張させて、心拍数とともに血圧を高め、心臓に「負荷」をかけます

「寝る前に飲むのが習慣」「飲まないと寝つけない」という人も多いと思いますが、お酒を飲んで寝るのは「生理的な眠り」ではなく、いわゆる「寝落ち」気を失っているのと同じで「正常な入眠」ではありません。

だから熟睡できなかったり、途中で目が覚めてしまったりするのです。

眠りの途中で目が覚めてしまうと、「交感神経」にスイッチが入ります。つまり、夜中にもう一度「交感神経」を緊張させて、心拍数を上げてしまうことになります。

では、どのような飲み方をすればよいのでしょうか。今回は、「心臓にやさしいお酒の飲み方」について解説します。

ひとつめは、「適量」を守って飲むことです。

【1】「適量」をきちんと守って飲む

アルコールは量が多すぎるとNGですが、リラックス効果から自律神経にもいい作用を及ぼし、適量であれば「交感神経の緊張」を和らげて、末梢血管を開いて血流をよくし、「心臓の健康」にプラスに働く可能性もあります。

事実、これを裏付ける調査研究もあります。

「適度な飲酒」は死亡リスクを下げる!?

厚生労働省が発表した「1日の平均アルコール消費量と死亡率の関係」のグラフには、「1日の平均アルコール消費量」を横軸に、死亡率の「相対リスク」を縦軸に、男女別の相関関係が示されています。

それによると、男女とも1日平均10グラム以上、20グラム未満(日本酒1合未満)の飲酒者は、お酒を飲まない人、より多く飲む人の中で最も死亡リスクが低くなっています(出所:厚生労働省「第19回アルコール健康障害対策関係者会議(資料6)アルコール健康障害に係る参考資料」)。

では、「適量」とは、どのぐらいの量でしょうか?

「1日の平均アルコール消費量と死亡率の関係」。グラフから男女とも1日平均10グラム以上、20グラム未満(日本酒1合未満)の飲酒者は、お酒を飲まない人、より多く飲む人の中で最も死亡リスクが低くなっていることがわかる(出所:厚生労働省「第19回アルコール健康障害対策関係者会議(資料6)アルコール健康障害に係る参考資料」より/『「100年心臓」のつくり方』に掲載)

それは1日平均純アルコールで約20グラム程度(女性はこの半分)とされています。ワインなら1日2杯(女性は1杯)程度です。

「1日ワイン1杯では飲んだ気がしません。どうにかなりませんか!」とお酒好きの女性に抗議(?)されてしまったことがあります。

私も医師という立場上、「それならば、じゃんじゃん飲んでください」とはちょっと言えません。

しかし、健康診断で血液データに異常が出ていなくて、太っていなくて、かつ胃腸の調子もいいというのなら、たまにはちょっとくらい多めに飲んでもいいのではないかとも思います。

飲めないストレスをため込むよりも、ずっと体にいいのではないでしょうか。

純アルコールで約20グラム程度(女性はこの半分)が「お酒の適量」といわれる。日本酒なら1合程度、ワインならグラス2杯程度(女性はそれぞれ半量)がめやす(出所:日本高血圧学会『高血圧治療ガイドライン』より/『「100年心臓」のつくり方』に掲載)

動脈硬化の原因!「メタボ」を防ぐ飲み方は?

【2】おつまみやシメの食事に気をつける

また、「お酒で太りませんか?」と聞かれますが、おつまみやシメの食事にさえ気をつければ、それほど太ることはありません

アルコールは体内に入ると全部燃えてしまう「エンプティカロリー」なので、お酒だけで太ることはあまりありません。大酒飲みの人に限ってやせていたりするのは、飲むだけで、つまみや料理をほとんど食べないからです。

だから、お酒は適度に飲んで、つまみや料理は低糖質、できれば低カロリーのものを選べばOKなのです。

肥満やメタボ(メタボリックシンドローム)は、「動脈硬化」が進む原因となり、心臓に「大きな負担」となるので、くれぐれも気をつけましょう。

3つめは、「心臓にいい成分」を意識した食事と一緒に楽しむことです。

【3】「心臓にいい成分」を食事で一緒にとる

サバ缶に多く含まれるEPA・DHAは心臓にいい「スター成分」(詳しくは『100年心臓』で解説)

わが家では必ずといっていいほど、夕食に魚料理が並びます

なかでもおすすめは、アジ、サバなどの青魚です。

なぜなら、青魚に多く含まれる「EPA」「DHA」には、「白色脂肪細胞のベージュ化」を進める効果が期待できるからです。

詳しく説明すると、脂肪細胞には、エネルギー源として脂肪をため込む「白色脂肪細胞」と、取り込んだ脂肪を燃焼させる働きをもつ「褐色脂肪細胞」の2種類があります。

ブロッコリーの「GABA」「スルフォラファン」も心臓にいい「スター成分」(同前)

一般に、食べても太りにくい人は「褐色脂肪細胞」が多い傾向にあるといえるわけです。

ただ、「白色脂肪細胞」が外部からの刺激(運動や食事など)によって、「褐色脂肪細胞」と似た働きをするようになることが近年わかってきたのです。

ただし、「EPA」「DHA」は加熱によって失われやすいので、刺身やカルパッチョなど「生」で食べるのがおすすめです

トマトの「リコピン」は血管年齢を若返らせる効果が期待できる「スター成分」(同前)

わが家では、同じ効果が期待できる「スルフォラファン」の豊富なブロッコリースプラウトをトッピングするようにしています。

手軽な「サバ缶」は、生のサバを缶詰に入れてフタを閉じた状態で加熱してつくられるので、「EPA」「DHA」が流出する心配はありません

なので、汁ごと使うのがポイントす。

ブロッコリーに含まれる「GABA」「スルフォラファン」、トマトの「リコピン」も加わって、「最強の心臓強化レシピ」といえます。

たまねぎの「ケルセチン」は血管を健全な状態に保つ「スター成分」(同前)

サバ缶を調理せずそのまま食べるときは、「ケルセチン」が豊富な玉ねぎをスライスしてトッピングすると、さらにおすすめになります。

玉ねぎに含まれる「ケルセチン」には「抗酸化作用」があり、「血管内皮細胞の酸化」によるダメージを防ぎ、血流をよくして血圧を下げる働きなどがあると考えられています。

「心臓の健康」を意識した飲み方で、突然死を防ぐ

お酒が好きな人は、夕食は「心臓の健康」に必要な栄養素を適量のお酒とともにゆっくりいただき、自律神経のバランスを整え、心臓が休まるひとときにしたいですね。

くれぐれも飲みすぎには注意し、「『心臓の健康』を意識したお酒の飲み方」を知り、実践することで、ストレスを上手に発散してください。

そういう日常の1つ1つの積み重ねが、結果として、突然死を防ぎ、人生100年時代を満喫できる健康な「100年心臓」を手に入れることにつながる、私は医師として、そう確信しています。

引用:東洋経済

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