エコノミストに不況下で最も安全な仕事と最もリスクの高い仕事を聞いた。
AndreyPopov/Getty Images
資産運用大手ブラックロック(BlackRock)が最近発表したレポートは、世界的な不況が迫っていると警告している。
「厳しい経済の見通しにより、レイオフに対する雇用者たちの懸念が急増している」とイギリス在住のグラスドア(Glassdoor)のエコノミスト、ローレン・トーマス(Lauren Thomas)は話す。
トーマスによると、企業の口コミのウェブサイトでは「2022年10月にはレイオフの話題が2倍、インフレの話題が3倍、不況の話題が10倍近く増えた」という。
労働者は、不況が雇用の機会にどのような影響を及ぼすかについて、以前から警戒心を抱いている。2022年夏に人材派遣会社インサイトグローバル(Insight Global)が行った調査では、アメリカの労働者の約8割が、再び不況に陥った場合に職を失うことを心配していると回答している。
本当に不況に強い仕事というのはなかなか見つからないが、ある業界の仕事は他の業界よりも安全なものもある。そこで、労働の専門家やエコノミストに、最も安全な仕事と最もリスクの高い仕事はどのようなものかを聞いた。
パンデミックに端を発した雇用ブームの後、ここ数カ月でテック業界全体にレイオフが広がり、メタ(Meta)、ツイッター(Twitter)、アマゾン(Amazon)などのテック企業大手が大規模な人員削減を余儀なくされている。
テック企業はオンライン広告支出の減速に端を発し、早い時期から経済的打撃を受けている。
しかし、グラスドアのトーマスによると、高度に専門化したスキルを持つ技術者は、依然として全体的に需要が高く、レイオフされてもすぐにまた雇用される可能性が高いという。
借入資金に大きく依存する建設業は、不況の初期に大きな打撃を受ける傾向があると専門家は話している。
保険会社のインシュリスト(Insurist)のCEO兼創業者、ブライアン・グリーンバーグ(Brian Greenberg)は「建設部門の仕事は借り入れに依存しているため、脆弱であるだけでなく、事業の縮小に関して、他の業界より柔軟性に欠ける場合が多い」とInsiderに述べている。
「例えば、不景気で従業員の半分を解雇した会社の建設作業員の場合、他の場所で仕事を見つけることができるかもしれない。しかし、もしあなたが新規開発のための設計を専門とする建築家だった場合、会社に解雇されたら他に行くところがないだろう」
専門家の間では、新型コロナウイルスのパンデミック以降、一部のデジタルに関連職に対する需要が減少し始めていることが確認されている。
「パンデミックによって起こったEコマースやソーシャルメディアといった特定の技術への需要はこの1年間で減少している」とグラスドアのトーマスは言う。Eコマースやソーシャルメディアの仕事は、マーケティングやショッピングの多くをオンラインで行わざるを得ない状況となった新型コロナウイルス以降、消費者の需要の変化に影響を受けているのだという。
「この業界は基本的には堅調だが、パンデミック以降の新らしい常態にまだ適応していない企業は、短期的に若干落ち込む可能性がある」とトーマスは話している。
「不況下で最も雇用が安定している医療専門職は、医師や看護師だけでなく、薬剤師、理学療法士、高齢者や障害者の介護士も含まれる」と多通貨金融サービス、Conotoxiaの市場アナリストでマクロ経済予測の専門家、バルトシュ・サヴィツキ(Bartosz Sawicki)はInsiderに話している。
獣医師についても同様で、「文明の発展に伴い、犬や猫などのペットのケアをする機会が多くなっている」という。
リンクトイン(LinkedIn)のシニアエコノミスト、コリー・カンテンガ(Kory Kantenga)も、「ヘルスケア関連職は景気変動の影響を最も受けにくい分野だ」としている。
トーマスによると、教員は需要の高い職業であり、リモートで働くことがほとんどできないため、採用が難しくなっているという。
「大学卒業者数は今後さらに増加する可能性が高く、特に技術、ICT、医療、法律などの分野で講師の需要が増えるだろう」とサヴィツキは述べている。
公共安全や社会サービスに関連する仕事は、「不況下でも安定しており、時には雇用が増えることもある。それは政府が景気を安定させるため、求職者訓練などのプログラムに多くの支出を増やすからだ」とリンクトインのカンテンガは言う。
これらの職種には、政府の役職、法執行官、消防士、救急医療技術者、刑務官、警備員、職業安全衛生の専門家などが含まれている。
「景気後退の際に、政府、教育、医療・福祉サービス関連職を縮小する政策は、一般的には人気がない」とカンテンガは話している。
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