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高齢者もハマる「ユーチューブ」 ラップや性転換告白…多彩に発信 「生存確認にもなる」と笑いに

Apr 6, 2022

近年、若者がなりたい職業の上位に入る「ユーチューバー」。今や憧れるのは子どもや若者だけではない。高齢者にも動画投稿サイト「ユーチューブ」が広がりつつある。65歳以上を対象に動画を募った大会には、ラップを披露したり、性転換した経験を明かしたり、幼なじみとの日常を描いたりしたほのぼの動画まで多様な作品が寄せられた。老いをタブー視しない生き生きした姿や豊富な経験、ユーモアある語り口が、いぶし銀の存在感を放つ。

(末永陽子)

高齢者向けコンテストを企画したのは「R65全国どきTuber」。ソーシャルサービス(東京)が生きがいづくりを目的に今年初めて開くと、300を超える応募があったという。

兵庫県たつの市の仲村俊彦さん(72)は、幼なじみ4人と自慢の一品を紹介し合うイベント「じじつなぎ」に出演。その様子を撮った動画が入賞を果たした。同市のNPO法人「いねいぶる」理事長の宮崎宏興さん(48)らの企画だ。

動画では高齢男性5人が熱く語ったり、おどけたり、ちゃかし合ったり。コンテストでは「会話や雰囲気がおもしろく、元気になる」などと評価された。

実は、鉄道ファンの動画を長年見続け、一人旅の行程をまとめたこともあるという仲村さん。従来は公開していなかったが、「公開できる動画にも挑戦したい」と意気込む。

「いぇい! いぇい!」

息子が作ったという歌詞を独特のリズムに乗せ、軽快にラップを披露するのは60代の高齢男性だ。神奈川県のニックネーム「じじぃ」さん(66)は、2019年から動画投稿を始めた。

元々は「好きなことを自由に発信する世界」に魅了され、見ているだけだったが、「元気なうちに自分も」と一念発起。撮影や編集技術の高さに四苦八苦しながら、友人らの助けも借りて定期的に投稿する。

若者をまねて辛いラーメンを食べたり、念願のスカイダイビングに挑戦したり。孫が登場する回もあり、今やチャンネルの登録者数は300人を超える。

「定年退職後はやることがなく、毎日ぼーっと過ごしていた」とじじぃさん。入院中の妻や離れて暮らす子どもへの「生存確認にもなる。生きがいができた」とサングラス姿で笑う。

昨年初めて挑戦したのは、愛知県の小百合さん(67)。幼少期から自分の性に違和感を抱き続け、62歳で初めてクリニックを受診。性同一性障害と診断され、昨年手術を受けた。

「高齢でも性別を変えたい人がいることを伝えたい」と交流サイト(SNS)などで思いを発信してきたが、コンテストを機に動画にまとめた。憧れのロリータファッションを身にまとうまでの過程をはじめ、約9分間にこれまで抱いた苦悩や、女性に生まれ変わった喜びを詰め込んだ。

「LGBTQ(性的少数者)は昔からいることを知ってほしかった。今後も広く発信したい」と語る。

ソーシャルサービスによると、定年退職後にユーチューバーを始める人が増えているという。「時間に余裕があり金銭を目的にしない人が多いので、高齢者はユーチューバーに向いている」と担当者。「高い編集技術がなくても、人生経験が抱負で話術にたけており、見る人の心を揺さぶる」と可能性を示唆する。

出典:神戸新聞

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