世界一周旅、出発の序章

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世界一周旅、出発の序章

連載:人生二毛作
Nov 14, 2025

さてさて、

世界一周と軽々言ったが通常の旅行とは違い事前の準備の多さで追い詰められた。このような時に限って、靴は壊れる、装具のベルトは切れる、急な仕事は入る、飲み会は入る、、、、

世界一周を宣言した手前、後には引けない。アドレナリンは出ていないようだ。

いつものことだが、前夜は徹夜で荷物をパッキングして朝を迎える。

自宅から羽田空港までNearMe(ニアミー)という相乗りタクシーを利用。どうも3カ所で客を拾うようだ。ワンボックスカーが自宅に到着したのは6時前。テンションが上がらないままの一人なので、左手を手すりにつかまり、重力を感じながらなんとか助手席に着座する。

他の客は2人、3人連れで国内旅行らしく「着いたらどこ行こう」とか話をしている。先週の俺だって関西万博に行く際にはテンションは高かった。1週間の準備がこんなに厳しくなるとは予想もしていなかった。

自宅をパスポートさえ持って出発すれば日本出発は可能、こっちのもののはず。

NearMe:乗り合いタクシーで早朝の東京を行く

 

羽田空港からダラスへ飛ぶ!

羽田空港第三ターミナルに着きチェックインをして、迎えに来てくれた車いすに座る。普段は歩いているのになぜ車いす?

車いすを使うアクセシブルサービスはそもそも17年前に倒れた際に航空会社の係員が移動は大変だろうと思ったのか自動的に登録してくれた。

航空会社が国際的に決めた車いすの利用には3ランクある。()内は隠語ですね。

①ひとりで歩行ができない(WCHC)

②ひとりで歩行はできるが階段の昇り降りはできない(WCHS)

③ ひとりで階段の昇り降りはできるが長距離の歩行はできない(WCHR)

何故私にとってこれが良いかというと車いすを押す係員によりゲートや出口を案内してくれることであり、海外などでは安心かつ楽である。(これが追々困ったことになるとは・・・)

 

航空機に搭乗する前に時間がたっぷり2時間超もあるので航空会社のラウンジに入る。ラウンジで朝食を取るとみるみる鋭気が宿ってきた。なぁんだ、腹が減っていて気が沈んでいただけか!と、こんな単純な性格です。

ラウンジで朝食を食べればこっちのもの

 

10:55発JL0012便で米国ダラス・フォートワース国際空港へ、いざ出発。

ダラスと言うとJFケネディ大統領が暗殺された地であること以外、何も名所は思い出さないし、暗殺現場などは見たくはない(実際には今でも信仰者がいて、観光地化されている)。私からはつまらない街(ダラスの人、ごめんなさい)だということは以前行った際に理解している。当然、乗り継ぎ地であるので今日の最終目的地はシカゴ!リグレー・フィールドで鈴木と今永を見るのだ!ちゃんとチケットも押さえてあるよん。

 

シカゴ到着 第一国目:アメリカ入国

羽田から11時間30分あまりで予定通りダラス・フォートワース国際空港到着。

ここで厳しい米国の入国審査を受けなくてはいけない。

入国審査は基本的には犯罪者や不法移民、違法な物品を持ち込む輩かをチェックするのがメインであって、私のような、か弱い人間(?)の入国を阻止するものではない!と単純に考えてはいけない。

アメリカでは1990年に成立したADA(障害を持つアメリカ人法)が浸透していて、障害者の差別禁止、及び障害者が他者と同じくアメリカでの生活を営むことができる人権、機会を保証する公民権法である。航空機、空港での対応は当たり前で、入国審査でも障害者の窓口が設置されている。多くのアメリカの空港では入国審査には長蛇の列なのだが、車いすではわずかな行列で審査が可能な場合がほとんど。

ところがその車いすの数が今日は尋常でなく多い。多くの飛行機が到着したようでほとんどが中華人である。以前は日本の空港で仲間のうち一人を車いすに座らせて大勢の仲間が一緒に入出国したために現在の日本では車いす一人に同行者一人と制限が行われている。

最近は事前に審査が行われることが多くなって、アメリカではESTAというプログラムの申請をしなくてはならない。申請は2年間有効であり私の場合はあと10日で期限が切れるのだが、入国時に有効ならばいいはず。結果、安全な私めは「滞在日数は2日だけ。明日には出国する」と言うだけでOK!だった。いつも思うのは聞かれたことに即答できれば問題は起こりにくくなるし、英語が話せないなら予定表を見せると会話も必要なく楽ちん。あらかじめ、予定表、航空券、ホテルの予約などを一つのファイルにして持つのは私のこれまで旅の知恵です。

外国人の待ち時間は45分以上という表示

 


車いすの優先レーンでも10人以上はいるが一般に比べればマシ?

 

簡単にはいかない乗り継ぎ

ダラスからシカゴ行きの飛行機に乗り継ぐためにはターミナルを移動しなくてはならない。ここで本領を発揮するのが車いすのアシスタンス。ダラスの大空港を歩いてターミナルを移動するのは大きな労力がかかるが、電動カートが迎えに来てくれて人をかき分けながら、らくらくターミナル移動。乗り継ぎ時間がまだ3時間ほどあるので再びラウンジの人となり朝食タイム。


空港内の移動はカートで楽々、カートの数も半端ない

 

ラウンジで朝食を取りながら待つ

 

ラウンジが搭乗ゲートの目の前だったので、出発時刻が12:17だったので11時30分ぐらいになってゲートに出てみると大勢の搭乗客が溜まっている。子供たちがあっちにも、こっちにもいる。なんでこんなに多いのかと思えばアメリカでは今週から学校はサマーホリディじゃないか。

多くの子供たちは飛行機の到着を待ってガラスに張り付いている。その陰にはカップルがイチャイチャしている平和な光景。

しかし待てども待てども飛行機が到着しない。そんな中、急にアナウンスで飛行機は「1時間のディレイ(遅れ)」との案内があり、私はすぐ後ろのラウンジへ逆戻り。まだ、時間には余裕があるぜ!と思うのもつかの間、1時間後に再度ゲートに降りてみると再び、「40分のディレイ」でラウンジへ逆戻り。ラウンジの入場係員は入場のチェックもなく私に「welcome!」と、お互いに笑ってしまった。試合開始が19:05なので、18時までに着けば途中からでも観戦できると余裕でいると次の案内では再び「1時間のディレイ」。これで計2時間40分の負けだ!いよいよ後続の便の出発の時刻になってしまった。後続の便に予約していれば・・・

1時間近く経ってから飛行機がゲートに到着。搭乗客を降機させて、機内清掃して日本人でも急いで30分かぁ~と思えば飛行機の到着と共に搭乗案内が始まる。

???どうもあまりに遅れているので他の機体を用意したようで、「ならば最初から、やってよ!」(笑)。ダラスを飛び立ったのは日差しが明るい18時。シカゴまで3時間弱かかるから空港到着は・・・21時・・・完全に絶望の瞬間。

シカゴ便がやっと到着

 

 

シカゴ到着、でも・・・

シカゴオヘア空港から市内まではCTA(シカゴ交通局)による電車(MTR)がつながっている。シカゴは電車、バスなどの公共交通機関が発達した街であるので、ここは電車で市内まで行く。車いすを押してくれている男性は私の荷物も持っていてくれて、CTAチケットの購入を案内してくれて、ついでにウンコの排泄まで外で待っていてくれて、最後は電車の座席まで案内してくれて、これは感謝を伝えねばならない。ポケットから10ドル札を渡した。途上国では空港内のアシスタンスでもかなりの確率でチップを要求されるが、私は基本的に感謝を感じることをやってくれないとチップは渡さない。しかし、OK! OK!と言って当たり前のようにやってくれたことには感謝。

市内のホテル近くの駅までは30分ほど。以前の記憶を頼りにエレベーターで地上に出て、閑散とした照明に照らされているオフィス街をホテルに向かって歩くと、何人ものランニングや犬の散歩をしている人と出会う。ホームレスもいないし、22時過ぎに一人で歩いていても危険な感じはない。でも危ない地域があるのは覚悟の上。

22時過ぎのシカゴ中心部

 

 

以前、宿泊したことがあるホテルへ記憶だけで到着。羽田空港からは30時間は経っているか?ホテルの部屋へ入室。以前からはリノベーションをしたようで、頗る快適。とりあえずテレビを付けるとアメリカ版プロ野球ニュースがエンドレス放送されている。そこでシカゴカブス戦のハイライトをテレビで観戦して寂しさを癒すゴンザレスであった。

ホテルのバスはロールシャワーでした

 

アメリカ版プロ野球ニュース

 

 

PROFILE
パイン・ゴンザレス松原

パイン・ゴンザレス松原

出張中に倒れて半身麻痺になるも人生二毛作と決めて世界平和のために世界中を歩く、その正体はエンジニア。
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