ニンテンドースイッチのお墨付き...ゲーム業界×肢体不自由者の入力支援で大注目の日本企業「テクノツール」とは?

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ニンテンドースイッチのお墨付き…ゲーム業界×肢体不自由者の入力支援で大注目の日本企業「テクノツール」とは?

Apr 12, 2025

「死にゲー」攻略の天才的ゲームセンスを開花させた当事者も。ゲームから一般企業への就労へとつながる「本当の可能性」

障害者の操作上の困難を機器の工夫で支援することを「アシスティブ・テクノロジー(assistive technology)」(以降AT)と呼ぶ。

 

ゲームから広がる可能性

ATのサービス面の価値を広く知ってもらい、当事者の機会創出につなげるためにも、福祉の外の世界との接点を重視した真太郎は、ゲームメーカーなど異業種とのコラボに積極的に乗り出した。 社会にインパクトを与える起爆剤となったのが20年、ゲーム周辺機器メーカーのホリが開発し、テクノツールが監修したニンテンドースイッチの「フレックスコントローラー」だ。 手前にはジャックが16もあり、手の可動域が狭くても押せる大きなボタンや、軽い力で動くジョイスティックなど外部補助器をあれこれ接続し、個々が使いやすいコントローラーを自作する設計になっている。 このコントローラーは、ニンテンドースイッチ公式のお墨付きを得て、国内外でヒットした。 アクセシビリティーを得て天才的なゲームセンスを開花させた当事者もいる。 筋力が衰退するデュシェンヌ型筋ジストロフィーの梶山紘平は寝たきりだが、視線入力や頰を膨らませるわずかな力でコントローラーを巧みに操作し、愛好者が高難度で「死にゲー」と呼ぶフロム・ソフトウェアの『エルデンリング(ELDEN RING)』を全クリアしたという。 「適切なデバイスを手に入れたことで絶対このゲームをクリアしてやる、みたいな能動性が生まれた」と干場は話す。 一般企業での就労を目指す梶山は、ゲームで培った操作がモビリティーにも転用できるのでは、と考えた。 そこから障害者・高齢者向けのバーチャルツアーを企画するシアンの協力を得て、22年に発足したのがドローン・アクセシビリティ・プロジェクト(Drone Accessibility Project)だ。梶山は同年5月の公開テストフライトで見事に200グラムを超えるドローンを飛ばし、その可能性を社会に示した。 産業分野での実用化にはまだハードルがあるが、夢は膨らむ。今後、働き手不足により物流DXやインフラ点検の無人化が進めば、ドローンパイロットの需要は高まり、就労チャンスが生まれる可能性は十分ある。

 

選択肢を広げる場所に

岩井光子(ライター)

引用:ニューズウィーク日本版

 

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