希望する介護施設に入れなくなる…
人口減少日本で何が起こるのか――。意外なことに、多くの人がこの問題について、本当の意味で理解していない。どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。
100万部突破『未来の年表』シリーズのベストセラー『未来の地図帳』は、20年後の日本人はどこに暮らしているのか?人口減少が10〜20年後の日本のどの地域をどのような形で襲っていくのか?についての明らかにした必読書だ。
※本記事は『未来の地図帳』から抜粋・編集したものです。
東京圏の郊外の都市でも高齢化は進む。千葉県御宿町は53.8%、埼玉県鳩山町51.5%、千葉県鋸南町50.6%、千葉県南房総市49.9%など、住民のほぼ半数が高齢者という自治体が珍しくなくなる。
とりわけ「高齢化した高齢者」が増えるのが東京圏の郊外なので、取り上げてみよう。75歳以上の人口に着目すると、千葉県御宿町35.0%、埼玉県鳩山町32.6%など、30%を超す自治体が5ヵ所に上る。
東京圏でも確認したが、80歳以上の高齢者人口の伸び率をランキングしてみると、千葉市美浜区(2.24倍)や埼玉県伊奈町(2.22倍)、埼玉県鶴ヶ島市(2.14倍)、埼玉県三芳町(2.11倍)、埼玉県八潮市(2.10倍)など、上位を東京圏の郊外の市町が占める。東京に働きに出てきた団塊世代には、リタイア後もマイホームを取得した東京郊外で年を重ねていく人が多いということだ。団塊世代が75歳以上となっている2025年は東京圏の郊外を皮切りに、東京圏の高齢化が始まる年だといってもよい。
高齢者が増える東京圏では、医療機関や介護施設の不足が深刻化するのが2025年頃だ。国土交通省の「首都圏白書」(2017年)によれば、2015年の人口10万人あたりの病床数は全国平均の1317床に対して、東京圏は928床とかなり低水準である。
日本創成会議が厚生労働省のデータをもとに東京圏の介護施設の利用状況を分析している。東京圏では1都3県の住民は県境を越えての利用が進んでいる。中でも東京都民による3県への依存度が高い。
人口規模が大きく高齢者の絶対数が増えていくのに、施設を建設するための用地確保が極めて困難なためだ。利用者側が緊急避難的に住所を移しているのである。
日本創成会議はこうした実態をもとに2015年から2025年までの10年間における東京圏の介護需要の伸び率を45.0%増と予想している。とりわけ東京都を除いた3県の伸び率が50%前後になる(埼玉県51.5%、千葉県49.8%、神奈川県47.7%)と高めに予測している。
介護利用者の3県への流入が東京圏郊外の高齢化に拍車をかけているわけだが、2025年になると、東京都からの流入者を受け入れてきた介護施設が立地する市町村の住民も高齢化してくる。しかも「首都圏白書」(2017年)は、介護人材も2025年には首都圏全体で14万1000人不足すると推計している。ベッドがあっても利用できない施設が東京圏でも出てくる可能性があるということだ。
「いずれは埼玉や千葉の施設に入れてもらおう」と皮算用をしていても、いざその時を迎えたら希望するエリアに入れる施設がなかったという“悲劇”は現在でも珍しくないが、高齢者が激増する2025年にはますますそういうケースが増えそうだ。
医療機関や介護施設の不足もさることながら、勤労世代の減少にともない、飲食店や理髪店、生鮮食料品店といった日常生活に不可欠な商店がなくなったり、サービスの撤退が始まったりする地域も出てくることだろう。
つづく「日本人はこのまま絶滅するのか…2030年に地方から百貨店や銀行が消える「衝撃の未来」」では、多くの人がまだまだ知らない「人口減少」がもたらす大きな影響を掘り下げる。
引用:講談社
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