名古屋大学の鄭少鳳(テイ・ショウホウ)大学院生(研究当時)と石井敬子教授の研究グループは、米国人と比較して日本人は共感的関心が低いために、社会的支援を求めにくいことを明らかにした。
日本人を含む東アジア人は、欧米人に比べて、他者からの助けや感情的な支えといった社会的支援を求めることに消極的であることが知られている。この背景として、特に日本では、他者との対人関係の調和を重視するため、社会的支援を求めることによってその調和が壊れることへの懸念が大きいという文化的な特徴が示されている。
一方、本研究では、新たに共感的関心(困っている人への同情や思いやり)に着目し、社会的支援の求めやすさへの影響を検討した。
米国人参加者と日本人参加者の実験による日米比較研究を通じて、共感的関心や他者の利他的な行動への期待は、日本人よりも米国人で高く、さらにそれらが高いほど社会的支援を求めやすいことがわかった。また、日本人は困難や精神的苦痛を「社会規範や秩序を逸脱・違反した報い」として理解する傾向が高く、そのような理解をしやすい人ほど共感的関心が低いことも明らかとなった。
以上の結果から、共感的関心が高いと他者の利他的な行動を期待しやすく、また社会的支援を求めやすいことがわかったとしている。逆に、日本では、苦しみをその人間の社会規範や秩序からの逸脱による報いとして解釈する特有の文化背景により、共感的関心や他者の利他行動への期待が低く、それゆえ社会的支援が求めにくいことが考えられるという。
本研究の知見は、社会的支援の要請を容易なものとする上で文化と共感が関与することを示唆し、共感的関心を高めるような介入策が重要であることを示している。
論文情報:【Emotion】Empathic concern promotes social support-seeking: Across-cultural study
引用:大学ジャーナル
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