2025年には65才以上の高齢者の5人に1人が発症するといわれる認知症。6月14日は日本認知症予防学会が制定した「認知症予防の日」。認知症が発症するまでには、軽度認知障害(MCI)と呼ばれる前段階があり、なるべく早く予防に取り組んでおきたい。そこで、軽度認知障害の予防における「ダーツ」の有用性についての研究成果を紹介する。
オシャレでかっこいいイギリス生まれのスポーツ「ダーツ」。バーでお酒を楽しみながらプレーをしたり、インターネットカフェやボーリング場に設置されているダーツマシンで遊んだりした人も多いはず。
最近では、認知症予防や健康維持のために老人ホームやデイサービスなどの高齢者向け施設でレクリエーションとして行われるなど、徐々に輪が広まりつつあるという。
体の負担が少なく、老若男女が楽しめるダーツだが、ダーツを通じて健康寿命を延ばすことは可能なのだろうか。ある研究結果を元にダーツの有効性を探った。
県立広島大学・広島大学・ONE ENTERPRISE(ワンエンタープライズ)は、2019年から軽度認知障害の予防・改善に「ダーツ」が役に立つのかを調べる研究を開始。
ダーツマシンを販売しているセガサミーグループのダーツライブも研究に協力しており、健康状態を数値化することで「ダーツをすることによって、体も心も健康になる」という仮説を科学的に証明しようと取り組んでいる。
第1回目の検証では、「1投目より2投目を良くするために、動きをどう変化させるか」を、センサーを使用して計測する身体能力検査のほか、認知能力検査、ストレスマーカー検査などからデータを収集し、変化を観察した。
ダーツが与える軽度認知障害への影響を検証するため、65才以上の軽度認知障害の高齢者と、健康な状態の高齢者を対象に約1か月間、ダーツゲームを実施。
プレーした前後で、認知機能、精神機能、身体機能を比較し、軽度認知障害の有無によってダーツゲームがどのような影響を与えるかを測定した。
すると、驚きの結果が判明した。
軽度認知障害になる前の高齢者がダーツを1回1時間~1.5時間、週に1回以上プレイすることで、軽度認知障害のリスクを低下させる効果がある可能性が示された。
つまり、ダーツゲームを習慣的に行うことで、軽度認知症の予防、リスク軽減に有効であることが見出されたのだ。
「的を狙ってダーツを投げる」という一連の動作には、ダーツと自分の距離感を一定に保ちながら的を狙う空間認知機能や、矢を投げるために前方へ重心移動を行いながら腕を振り出すという身体機能が求められる。
このダーツを投げる前の準備や投げたときの重心移動が、認知機能の維持や改善に大きく関係するという。
一方、軽度認知障害をすでに発症している高齢者においては、年齢を除き、ダーツと認知機能、精神機能、身体機能の関連性は今回の検証では認められなかった。
年を重ねると筋肉量が減ったり、関節が痛むなどして、運動することが億劫になりがちになる。運動不足は認知症の発症リスクを高める。だからこそ、準備に時間がかからず、自宅や家の近所で気軽に続けられるダーツをぜひ習慣化したいものだ。
【データ】
ダーツライブ
https://www.dartslive.com/jp
研究の成果・論文(英文)
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fresc.2024.1327494/full
※ダーツライブの発表したプレスリリース(2024年5月21日)を元に記事を作成。
写真/ダーツライブ提供 構成・文/松藤浩一
引用:介護ポストセブン
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