――撮影中はシリアスな場面の連続で、きっと心身共に負担も大きかったと思うのですが、過酷の撮影を乗り切る上で、お二人はどのようにリフレッシュされていたのでしょうか?

中谷:何かあります?

菊池:中谷さんからクランクアップの日にいただいたクッキーがすごくおいしかったです。

中谷:本当?

菊池:ちょっとだけ食べて残りはお酒と一緒にいただこうかなと思ったら、止まらなくなっちゃって……。

中谷:あら、それはごめんなさい(笑)。

菊池:いえ、全然。結局すぐに全部食べちゃいました。

中谷:いや、それはさすがに食べ過ぎだろう(笑)。

菊池:おいしかったです。あのクッキーでリフレッシュされました。

中谷:あれね、女性に差し上げるとすごく喜ばれるから。風磨くんは「モテたくてこの仕事を始めた」とおっしゃっていたので、ピッタリかと(笑)。

菊池:そうです(笑)。あのクッキーは見た目も可愛かったですし。メモしておきます。

――(笑)。中谷さんはいかがですか?

中谷:今回はリフレッシュしちゃいけないと思って、リフレッシュしなかったんです。撮影中はもう何もする気が起きなくて。通常でしたら自宅に着いたら仕事のことは一切忘れて、リフレッシュするんですね。もちろんセリフは覚えなくてはならないので、本当に何も考えないかと言ったら嘘になりますが、極力切り離すようにしていて。でも今回に関してはもう、「リフレッシュも何もない」みたいな感じで。靴下を手で洗う気力さえもなく、靴下をクリーニングに出しました。「高いなぁ」と思いながら(笑)。「でももう無理!」と。自分の身の回りのことは、一切しなかったです。

でもそうじゃないと、張り詰めた倉澤の感情は出せなかったと思います。実際に少年犯罪で生涯癒えぬ傷を負った方々がいらっしゃいますし、その方々に失礼にならないように演じたいと思っていたので。もちろんドラマはスリリングなエンターテインメントとして作られていますが、演じる側としては、本当にどんよりとした真っ黒い、どす黒いものを常に肩に背負っていないと出来なかったんです。クランクアップした後も、虚無感というか、サバイバーズギルトみたいな感覚に陥ってしまって、すぐにリフレッシュする気持ちにもなれず、そこから脱するのも大変でした。風磨くんに屋上の上で追い詰められてから、身体の使い方が変わってしまったようで、うまく呼吸が出来なくて……。理学療法士の先生に何日か来ていただいて。ちゃんと呼吸が出来るように、身体を緩めていただきました。

引用:マイナビニュース