車いすで京都観光、安心に 坂道や段差など独自の絵文字で表現する教授の思い

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車いすで京都観光、安心に 坂道や段差など独自の絵文字で表現する教授の思い

Apr 28, 2022

車いすで京都の名所を観光できるように、独自のピクトグラム(絵文字)で傾斜や段差の情報を伝える地図作りを作業療法士の佛教大教授が進めている。楽しみながら活動量の増加などが期待できる観光のリハビリ効果に着目。より安心して訪問ができるように計31カ所の地図を製作した。

斜面や段差などの情報を書き込んだ地図と赤松教授(京都市中京区・佛教大二条キャンパス)

車いすを使わない人にとっても体の状態に応じて観光ルートを事前に検討できる利点があり、健康増進を目的とした観光振興にも一役買いそうだ。

佛教大保健医療技術学部の赤松智子教授は、パーキンソン病の人を対象にした調査で、観光地の訪問によって歩数や活動量の増加、うつ状態の改善といった効果が得られることを確認。観光を通じて心身の健康につなげる活動を「ウェルビーイング・ツーリズム」として推進しようと、事前に訪問先の状況が把握できる地図作りを5年ほど前に始めた。

地図では、斜面を示す絵文字を作り、介助なしで車いすが登れる緩い坂を「白」、介助があれば登れる6~10度の坂を「オレンジ」、急斜面を「赤」で色分けした。階段は段数とともに、1段の高低具合を3色に分けて表現する方法を考えた。

トイレも和式や車いす対応であることが分かるように4色で分類。路面の状態は舗装の有無や砂利の大小、石畳の凸凹具合に応じて模様を変えて伝えている。

清水寺(東山区)や北野天満宮(上京区)など有名社寺のほか、嵯峨嵐山一帯で調査を実施。地図をホームページで無料公開している。

山登りの印象が強い伏見稲荷大社(伏見区)の場合、車いすでも介助があれば、エレベーターやスロープを利用することで千本鳥居をくぐり、「おもかる石」がある奥社奉拝所まで参拝できることを確認したという。

体力に自信がない人やベビーカーを押す家族連れにとっても、地図があることで、事前にどこまで行け、どこで休憩できるかが分かる利点がある。

「観光に出掛けることで体力づくりだけでなく、心の健康にもつながる。遠くに行かなくても京都にはリフレッシュできる所がいっぱいある」と赤松教授。「地図を作りたい寺社があれば相談してほしい」と話す。地図は「ウェルビーイング活動・京都」のホームページで見られる。

引用:京都新聞

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