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運動後は温浴と冷浴、どっちが良い?理由と健康効果の引き出し方【最新の研究結果が示唆】

Apr 23, 2022

蒸し暑いヨガの後に冷たいプールに飛び込んだり、冬の厳しい運動の後に熱いお風呂に浸かったりするのは、何より気持ちの良いものです。カリフォルニア在住のランナーで理学療法士のアンドレア・ヘンリーさんによると、冷たい風呂と熱い風呂は、使い方とタイミングによっては、炎症を抑え、回復を促し、運動能力を向上させることができるそうです。

しかし、運動後の筋肉の回復にはどちらが良いのでしょうか?それぞれメリットがあることが判明しました。ヘンリーさんやその他専門家によるヒント、そして理想的な使用方法、水温、入浴時間などに関する推奨事項を参考にし、それぞれのタイプのお風呂を最大限に活用しましょう。

温浴と冷浴の違いは何?

運動後のお風呂は、温浴と冷浴のどちらも体の痛みに効果的です。それぞれをどのような時に使うか(または交互に使うか)、また、お風呂のお湯に何を加えたら本当に体に良いのかを見てみましょう。

 

冷浴

足底の痛みや足首のねんざなど、長引くケガで炎症を抱えていませんか。ヘンリーさんのおすすめは、10〜15度の間で、1回に15分まで冷水につかることです。温度が低いと、炎症部分の血流が遅くなり、「腫れを抑え、痛みを麻痺させる」と彼女は説明します。

また、冷温浸漬療法を定期的に行っているランナーは、単に休んでいるランナーよりも遅発性筋肉痛(DOMS)が少ないと報告されています。また、2015年に科学雑誌のジャーナル・オブ・フィジオロジーに掲載された研究によると、冷浴は重い重量挙げのセッションからの回復を助け、長期的な筋肉量と強度の増強に効果があるとのことです。

しかし、氷水に浸かることを想像しただけで歯がゆくなるのなら、朗報です。ヘンリーさんによると、痛みのある足や足首を冷水に沈めると、痛みが最小限に抑えられ、歩き方が変化し、さらなるケガを引き起こす可能性のある小さな痛みを鎮めるのにちょうど効果的なのだそうです。

「トレイルでつまずいて足首をねんざしたなど、負傷が急性の場合は、入浴を避け、腫れを抑えるのに効果的な冷湿布をしましょう」とアラバマ州ハンツビルにある整形外科センターの理学療法士、エリザベス・スミス博士は述べています。最近では電気湿布などの選択肢もありますが、昔ながらのシンプルな冷湿布で構いません。

 

温浴

ヘンリーさんもスミス博士も、連日の筋肉の凝りを癒すには、温かいお風呂に入るのが一番だと述べています。理想的な温度は36〜40度ですが、ヘンリーさん曰く「自分の心地良さに合わせた温度で」入れば良いそうです。

暖房の効いた部屋でヨガレッスンを受けると、前屈やランジが深くできるように、熱いお湯に浸かると全身の血流がよくなり、腱や関節、筋肉が温まり、「可動域や動きがよくなる」とヘンリーさんは説明します。

また、アトランタ地域で活動する心理学者アリソン・クリストファー博士によると、「毎晩入浴すると、体温がわずかに上昇することで脳内のセロトニンが放出され、うつ病の症状を改善する」と言います。また、夜に熱い風呂に入ることで、メラトニンが分泌され、「体内時計を調整できる」と彼女は説明しています。つまり、緊張した筋肉をほぐし、よく眠ることで、疲労回復を助け、ハードな運動からの回復を容易にするのです。

お風呂は運動後の楽しみだけではありません。ウォームアップで体を鍛えるのと同じように、運動前の入浴は凝った関節をほぐし、痛んだ筋肉に血液を送り込みます。

温冷交代浴

足や足首のねんざのような急性のケガには、温熱と冷熱療法を交互に行う温冷交代浴を試してみることをヘンリーさんは提案します。数日間、患部を冷水や冷湿布だけで治療した後、温浴で3~4分、冷浴で1分を交互に合計20~30分間入浴し、必ず最後は冷浴で終えることを勧めています。この方法は、血管を収縮させてから拡張させ、「血流と血液の酸素供給を増加させるポンプ効果を生み出し、治癒プロセスを加速させる」と彼女は言述べています。

2013年に行われた温冷交代浴療法の研究結果では、安静群や温浴群に比べて、筋肉の乳酸を減少させる効果が高いことも明らかになりました。

しかし、温冷交代浴療法は誰にでもできるものではありません。傷口が開いている場合や心臓機能障害、皮膚感染症、糖尿病、その他の循環不全のある方は、水温の変化や、極端に熱いお湯や冷たいお湯を避ける必要があります。

究極のリカバリー

心弾む香りの入浴剤を入れたり、好きなエッセンシャルオイルを数滴垂らしたりすることは有害ではありませんが、科学的に利点があるわけではありません。代わりに、スミス博士は患者にコップ2杯分のエプソムソルト(欧米で人気の入浴剤)を推奨しています。エプソムソルトはマグネシウムの粒子に分解されて体内に吸収され、筋肉の凝りを和らげ、回復を早めてくれるのだそうです。

また、バスタイムで得られる精神的・肉体的な健康効果を最大限に引き出すには、スマホやタブレットを風呂に持ち込まないことだとクリストファー博士はアドバイスします。

「身体的にリラックスした状態であれば、心を静めることは容易です。ですから、心を落ち着かせる音楽を聴いたり、ガイド付き瞑想をしたりして、気持ちを落ち着かせるようにしてください」と彼女は言います。また、アスリートが定期的に瞑想を実践すると、ストレスレベルの低下、集中力の向上、睡眠の改善につながることが研究で示されています。

教えてくれたのは……ローラ・ショルツさん
ローラ・ショルツさんはアトランタを拠点に活動するフリーランスのライターであり、ピラティスのインストラクターでもある。http://www.laurascholz.com/

ヨガジャーナルアメリカ版/「Should You Take a Hot or Cold Bath After Your Workout? Here’s What Scientific Research Says

出典:yoga JOURNAL
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