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「どもってしゃべってもいい」 吃音当事者の集い、徳島初開催へ

Feb 20, 2022
「第1回徳島吃音のつどい」を企画した鈴木淳さん=本人提供拡大
「第1回徳島吃音のつどい」を企画した鈴木淳さん=本人提供

どもって思うように話せず、伝えたいことが言葉にできない吃音(きつおん)。そんな当事者らが語り合う「第1回徳島吃音のつどい」が3月6日午後2時からオンラインで開かれる。主催は吃音者自助団体のNPO法人全国言友(げんゆう)会連絡協議会で、県内の当事者や家族、支援者らに参加を呼びかけている。

つどいを企画したのは、徳島市の当事者、鈴木淳さん(40)だ。鈴木さんは、言葉や聴覚に障害のある人を支援する言語聴覚士であるにもかかわらず、3年前までは「吃音は恥ずかしいもの」という意識が消えなかった。

 

「吃音やから、またあかんかった」と何度も思ってきた。小学生の時、音読の授業で言葉が出ず、クラスメートに笑われた。大学生の時の就職活動では、面接やグループディスカッションで失敗し、約10社全滅した。28歳で言語聴覚士の資格を取ると、知人から「上手に話せんお前ができるのか」とからかわれた。クリニックで働き始めたものの、吃音は隠したまま。上司から「上手に話せ」と言われたこともあった。

転機は2019年、勤務先で吃音の相談を受けたことだった。効果的な支援方法を学ぼうと、吃音研究の学会に参加すると、堂々とどもりながら発表する当事者らを見て衝撃を受けた。「どもってしゃべってもいいのか」。目の前が開けた。

これまで吃音を理由にたくさんのことを諦めてきた。でも「踏み出す勇気がないだけで、それを吃音のせいにしていた」と気づいた。「症状が出ても気持ちを伝えることが大切なんだ」

「第1回徳島吃音のつどい」のチラシ=全国言友会連絡協議会提供拡大

「第1回徳島吃音のつどい」のチラシ=全国言友会連絡協議会提供

 

その後、吃音であることを周囲にカミングアウトした。大半の都道府県には自助団体「言友会」があるのに、徳島にはないことも知った。「1人で悩む吃音者は多いはず。語り合い、アドバイスし合える場があれば、前向きになれるのではないか」。徳島言友会をつくるため全国言友会連絡協議会に相談し、つどい開催にこぎ着けることができた。

 

つどいでは、吃音外来医師による講演、吃音の体験談発表、グループトークなどを予定している。参加希望者は3月4日までに申し込みが必要。問い合わせは鈴木さん(090・4788・0375、tokushimakitsuon@outlook.jp)。【佐々木雅彦】

吃音

特定の言葉の一部を出しづらかったり、出せなかったりする言語障害。100人に1人が持つとされ、連発(ぼぼぼくは)、伸発(ぼ――くは)、難発(………くは)の症状がある。からかわれたり、奇異な目で見られたりした体験から、話すことに消極的になり、社会に適応できなくなる人も少なくない。

 

出典:毎日新聞

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