休業、退職防ぎ生産性アップ!作業療法士派遣し職業病予防

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休業、退職防ぎ生産性アップ!作業療法士派遣し職業病予防

Jun 20, 2023

福島県内の製造業や建設業を中心に働き手が不足する中、”職業病”による経済的損失に着目し、改善を目指す会社がある。訪問看護などを手がけるエシカル郡山(郡山市)は作業療法士を企業に派遣し、健康課題を解決することで社員の休業・退職を予防する事業を今春始めた。人手不足に一石を投じるか注目が集まる。  「想像以上に大変な作業ですね―」。郡山市のふくしま逢瀬ワイナリー。エシカル郡山の作業療法士佐々木貴義さん(44)と高橋慶香(ちか)さん(33)は今月上旬、代表理事の河内恒樹さん(54)から、ブドウ栽培からワイン造りまでのワイナリーの仕事を聞き取っていた。  収穫したブドウを入れるケースやワインをまとめた箱は最大で30キロほどになり、運ぶのは重労働だ。収穫などの際に中腰の姿勢が続くのも、体には負担になる。  「醸造施設内に低温の部屋があるのも気になる。筋肉をほぐす運動が必要かもしれない」と佐々木さん。今後従業員に実施したアンケートも踏まえ、改善策を検討していく。河内さんは「従業員は7人で、1人いなくなるだけでも影響は大きい。職業病の予防につながれば」と期待する。  エシカル郡山が今回の事業「ReSTAR(リスター)」を始めたのは、社長の星佳子さん(52)が郡山市の病院で看護師として働いていた際の体験がきっかけだ。勤務中、心や体の不調で働けない人が数多くいることを実感し「改善できないか」と考えた。  独立して起業してからも事業化を検討していたが、所属する中小企業団体の会合で、先駆的に取り組む企業が島根県にあることを知り、動きが加速した。  リスターの事業内容は、この島根県の企業「Canvas(キャンバス)」の支援を受け、そのプログラムをベースにした。  職業病が個々の企業に与える影響を分析、具体的な労働損失額を算定して「見える化」するのが特徴で、職業病の原因を洗い出すだけでなく、従業員とともに改善策を考え、実践することで継続的な取り組みにつなげる。ブランド開発などを手がけるENOGU(郡山市)の社長宗像康弘さん(42)が事業に協力する。  4月の事業開始後、郡山市の1社と契約を結んだほか、約40社から引き合いがあるという。星さんは「想像以上に職業病の経済的損失は大きい。事業を通じて生産性向上につなげたい」と力を込める。問い合わせはエシカル郡山(電話024・953・7240)へ。 4日以上休業272件  福島労働局のまとめによると、福島県内で昨年1年間に「動作の反動、無理な動作」で4日以上の休業が生じたケースは272件あった。業種別では社会福祉施設が最多の58件で、製造業44件、運輸交通業34件と続いた。  また、県の労働条件等実態調査(2022年7月末現在)によると、県内の事業所のうち、過去1年間に心の健康上の理由で休業した人は471人、退職した人は182人いた。

引用:福島民友

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